

東文彦アルバム
小説の舞台
九州の志賀海神社・鳥居

文彦の小説「魔縁」の主人公・珠名という美しい少女は、幼い頃に魔女にさらわれ、山奥で育てられたという身の上です。
「魔縁」という物語を文彦が構想したのは、この北九州市の志賀の島にある志賀海神社がヒントになったと思われます。
文彦は幼い頃、福岡市で育ちました。
福岡の人達は、志賀の島によく海水浴に行くそうです。
きっと文彦も、ここに海水浴に行ったのでしょう。
この志賀海神社の宮司は古来から阿曇一族でした。
日本にはもう一つ、阿曇一族が宮司を務める神社、穂高神社があります。
志賀海神社は海辺にあり、穂高神社は山奥にあります。
穂高神社は今も、あれほど山奥にあるのに、なぜか海神を祀っているというユニークな神社です。
しかも、山でかつて奇蹟が起きたという言い伝えがあります。
具体的にどのような奇跡だったのかは、今の私にはわかりません。
どなたか、ご存じの方がいらっしゃったら、教えてください。
この二つの神社の特徴にヒントを得て、文彦は「魔縁」を書いたのは間違いないでしょう。
なぜなら、小説の最後の方で、珠名の父の名は「阿曇の連」と明かされるからです。
海への憧れ、そして困難な運命への抵抗を描いた小説です。
文彦も過ごした北軽井沢

文彦は小説「浅間」の舞台が北軽井沢であることを明かしています。
文彦は肺結核を患って、療養生活を送っていました。
当時は冷房装置もなかったので、夏になると東一家は避暑地で過ごしました。
文彦の健康を気遣い、快適に過ごせるようにと両親は毎年、どこか涼しい土地で夏を迎えたようです。
北軽井沢で友人達と共に過ごした体験をもとにして、小説「浅間」が書かれました。
美しい自然に恵まれ、涼しく過ごしたのでしょう。

