

研究会よりお知らせ
2023-09-16 21:53:00
第2回東文彦研究会の内容
先日開催した第2回東文彦研究会の内容をご報告します。
およそ、次のような内容でした。:
三島の小説「岬にての物語」には、十代の頃の友人、東文彦の思い出が各所に織り込まれている。
その一例として、文彦の小説「午後の時」の中に織り込まれている、ベルギーの詩人エミール・ヴェルハーレンの詩「午後の時」第11番が具体的にどのように関連しているかを分析した。
海へ乗り出して行く恋人同士と、それを岸から見送る第三者という構造がよく似ている。
恋人同士の烈しい火花を散らすような生き方と、それを賛嘆して見送る視点に、「岬にての物語」の主人公が重なる。
三島が晩年に出版した限定版『岬にての物語』の挿絵の少女像(横顔)が、文彦の遺稿集に掲載されている文彦の横顔の肖像画(徳川義恭画)とよく似ている。
「岬にての物語」には、友人文彦の姿が重ねられているのではないか。
:問題提起を行うことができたと思います。

