研究会よりお知らせ

2023-09-16 22:00:00

その後の議論(少女の歌について)

 第2回研究会の内容を受けて、その後、次のようなご意見が寄せられました。

 

 少女の姿に文彦の思い出が重ねられている、ということは、豊かな味わいとなっていると思う。

 少女像やオルガンの音に、美しい思い出が重なるのだろうと想像される。

 ヴェルハーレンの詩も美しく、「岬にての物語」に通じるものが感じられる。

 

 しかし、「夏の名残の薔薇」の歌の歌詞について、あまり理屈っぽい分析をしない方がよいのではないか。

 ただふと耳にした歌の歌詞に惹かれ、この小説の雰囲気にふさわしいと感じて織り込んだだけではないか。

 あまり分析や理屈づけをしない方が、味わいが優しく豊かな感じになると思う。

 

 とてもよいご意見だと思われます。

 発表者としては、「夏の名残の薔薇」の歌の後半部分が気になり、自分なりの解釈を行っています。

 しかし、全体をそのまま受け取り、優しく柔らかく味わう方がよい、というご意見も確かにそうだな、と思われます。

 参考になり、有意義な見方を示していただきました。

2023-09-16 21:53:00

第2回東文彦研究会の内容

 先日開催した第2回東文彦研究会の内容をご報告します。

 およそ、次のような内容でした。:

 三島の小説「岬にての物語」には、十代の頃の友人、東文彦の思い出が各所に織り込まれている。

 その一例として、文彦の小説「午後の時」の中に織り込まれている、ベルギーの詩人エミール・ヴェルハーレンの詩「午後の時」第11番が具体的にどのように関連しているかを分析した。

 海へ乗り出して行く恋人同士と、それを岸から見送る第三者という構造がよく似ている。

 恋人同士の烈しい火花を散らすような生き方と、それを賛嘆して見送る視点に、「岬にての物語」の主人公が重なる。

 三島が晩年に出版した限定版『岬にての物語』の挿絵の少女像(横顔)が、文彦の遺稿集に掲載されている文彦の横顔の肖像画(徳川義恭画)とよく似ている。

 「岬にての物語」には、友人文彦の姿が重ねられているのではないか。

 

 :問題提起を行うことができたと思います。

2023-09-16 21:46:00

9月1日の三島由紀夫研究会

 9月1日(金)に開催された、犬塚潔先生の講演会に参加してきました。

 とても有意義な会でした。

 貴重な資料をもとに、様々な考察を広げていらっしゃいました。

 

 定説となっているような解釈も勇敢に覆し、持論を展開していらっしゃって、大いに刺激を受け、また感動しました。

 いつもながら犬塚先生が三島に寄せる誠意が感じられ、心打たれました。

 おもしろかったし、勉強になりました。

2023-09-03 11:20:00

第2回東文彦研究会を開催しました

 記事の更新が遅れ、申し訳ありませんでした。

 私が6~7月にかけて風邪と咳喘息を発症し、とてもひどい状態で、第2回東文彦研究会も延期し、9月1日に開催することとなりました。

久しぶりに活動を再開することができて、本当によかったです。

 健康が大切ですね。

 

 第2回東文彦研究会は、市ヶ谷コワーキングカフェにて開催しました。

 いつもとは違う場所で、リラックスして意見交換をすることができて、よかったです。

 三島由紀夫「岬にての物語」に、東文彦の小説「午後の時」そしてベルギーの詩人ヴェルハーレンの詩「午後の時」が織り込まれているのではないか、という問題を検討しました。

これを始まりとして、皆さんに考えていただけたら嬉しいです。

 有意義な会でした。

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